第11章 結果は自己責任

 

誰もが、江口初姫がここまで露骨に牙を剥くとは思っていなかった。

株主たちはこれまでの社内での積み上げを盾に、鼻高々で、江口初姫くらい簡単にねじ伏せられると踏んでいたのだ。

だからこそ、江口初姫が「会社に戻りたい」と言い出したときも、適当にあしらってガス抜きするつもりで、さして邪魔もせず就任を許した。

――ところが。

江口初姫は、想像以上に硬かった。

株主たちの顔はみるみる歪み、苦虫を噛み潰したような表情が並ぶ。

会議室の空気は、底に沈んだ水みたいに動かない。冷え切って、重い。

江口初姫は怯まず、退かず、ぐるりと一同を見回して言った。

「ほかに、異論のある方は?」

保坂震...

ログインして続きを読む