第23章 急いで次の男を探す

江口初姫は悠々とゴルフクラブを持ち上げ、目を細めて方向を測りながら、腕を何度か回して感触を確かめた。

上げては止め、下ろしては止める。それはどれも、ただの素振り――のはずだった。

けれど、振りかぶるたびに「今にも振り抜く」気配がちらつき、そのたび川瀬千茉は顔色を失っていく。震える声で音無真に縋った。

「真……あれ、私のほう狙ってない?」

身体が強張り、今すぐ音無真の背中に隠れてしまいたい。けれど、そんなことをしたら余計に惨めだと分かっていて、動けない。

周りには何も遮るものがない。江口初姫の素振りが何度も視界をよぎるたび、脚から力が抜けそうになる。いつ飛んでくるか分からない白球。見...

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