第33章 罪を被りに来たわけじゃない

音無爺様の入院は急を要する出来事で、音無家は大ごとにせず、必要以上に人を呼ばなかった。

いま医師を囲んで状況を尋ねているのは、身内ばかりだ。江口初姫は胸いっぱいの不安を押し込みながら、爺様の状態を細部まで確認していく。

その場では、音無奥さんですら嫌味を言う余裕がないのか、初姫と一緒になって何度も問いただしていた。

二人の空気が妙に穏やかで、互いを毛嫌いし合うのが当たり前だった時間が嘘みたいだ。

家族がひとつの輪になっている光景は、ごく自然で。

ただ一人――隅へ押しやられた川瀬千茉を除いて。

千茉は何度も前へ出ようとした。存在を示さなければならない。音無真に無理を言ってまで連れて...

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