第34章 音無真の勝負欲

「……私が、何?」

音無夫人は納得がいかないといった顔で、もともと機嫌が悪かったところへ音無真の姿まで目に入ったせいか、いっそう怒りを燃やした。

「まさか、あんたがその泥棒猫の肩を持つなんて!」

音無真は一歩前に出て、川瀬千茉を背中へかばう。苛立ちを飲み込み、辛抱強く言った。

「千茉は善意で祖父さんの見舞いに来たんだ。客をいきなり追い返すって、どういうつもりだよ」

「客ですって!?」

音無夫人は怒りで両手を震わせ、何度も深呼吸しても胸のむかつきが収まらない。

彼女は川瀬千茉を指さし、露骨に嫌悪を滲ませた。

「こいつは疫病神よ。たぶらかされてるのはあんただけ。まったく、何と言え...

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