第41章 互いに自由を返す

音無真は痛みに顔を歪め、ほんの一瞬だけ表情を崩した。

江口初姫はその隙に距離を取り、彼から離れて警戒の目を向ける。

「音無社長、私は失礼します。病室で引っぱったりしないでください。こんな場所で言い争いなんてしたくありません」

音無真は腹を押さえるように身を折り、しばらくしてからようやく、歯の間から絞り出すように吐き捨てた。

「江口初姫……!」

「音無社長。これ以上つきまとったら通報します。次は蹴るだけじゃ済まない」

音無真の顔色が鉄のように青黒くなる。

「俺はおまえの婚約者だぞ。もともと、おまえの家が頭を下げて俺に嫁いでくれって頼んだんだ。自分の立場をわきまえろ!」

ここ最近...

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