第43章 服に細工をされる

江口初姫は、川瀬千茉の「信じられない」と言わんばかりの目を、まるで見えていないかのようにやり過ごした。

千茉が本気で避けようと思えば避けられた――そう分かっている以上、わざわざこちらが「責任をかぶってあげる」義理もない。

受け取った千茉のドレスを手に、江口初姫はいったん化粧室へ向かい、さっさと着替えを済ませる。

戻ってくると、脱いだ礼服を千茉へ突き返しながら言った。

「デザイナー名はタグにある。修復できるかどうか、どう直すか、いくらかかるか――あとはそっちで話して」

「わ、私……」

川瀬千茉は完全に固まった。

まさか本当に弁償を求められるとは思っていなかったのだろう。手を伸ばす...

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