第47章 冤罪

保温ポットに残っていたスープは、煮えたぎるほどではないにせよ、まだ湯気が立つ程度には熱かった。

その湯気の上がる濃いスープが、どばっと川瀬千茉の顔面にぶちまけられる。

川瀬千茉は頭が真っ白になり、呆然としたまま顔に張りついた葉物を二枚、指でつまんで落とした。髪もべったりと絡まり、ぐしゃぐしゃだ。

その光景を、後から追いかけてきた音無真も目撃した。

彼はその場で硬直し、見慣れたはずの江口初姫を――いや、今の彼女はどこか別人に見えて――茫然と見つめる。目の錯覚か、とさえ思った。

……こいつ、何をしてる。

だから彼は扉の外で立ち尽くしたまま、進むことも退くこともできず、信じられないとい...

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