第49章 食いつく

江口初姫がいくら協業を持ちかけても、松本千空はどうにも信じていない顔だった。

ほとんど江口初姫の存在そのものを、視界から消すみたいに。

食事を終えると、彼はすっと立ち上がって店を出ようとする。

江口初姫は、彼が次のバイト先へ向かうのではと焦った。これ以上、松本千空に付き合って時間を溶かす余裕はない。仕方なく名刺を取り出し、ため息まじりに言う。

「身元なら証明できる。まずはこれ、見て」

それでも松本千空が動かないので、江口初姫は言葉を重ねた。

「起業にお金が必要なのは分かってる。でも、今のペースで一日いくら貯められるの?」

「技術って日進月歩でしょう。資金が貯まる頃に、あなたのプ...

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