第50章 俺から離れろ

江口初姫は、周防宴久が裏で何をしているのかを知らなかった。

それでも松本千空の「バイトへの執着」だけは放っておけない。彼が掛け持ちしていた仕事をすべて辞めたのをこの目で確認して、ようやく安心してその場を離れた。

(資金さえあれば……今度は、前よりもっと早く、もっと大きく跳ねるはず)

そうなれば、自分が得る見返りも増える。

胸の奥がじわりと甘くなるのを抑えきれないまま、江口初姫はその足で佐川蘭に連絡した。提携用の契約書を用意させ、松本千空を支援するための専用資金を一本立てで組むよう指示する。

翌朝。

江口初姫は機嫌のいい笑みを浮かべて会社に入った。

真正面からぶつかったのは、佐川...

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