第51章 返品

江口初姫が松本千空に投資した件は、あっという間に音無真の耳にも入った。

話を聞いた音無真は、助手に確認する。

「本当に、ただの目立たない貧乏学生なんだな? 初姫がそこに投資して、何の得がある」

助手は淡々と報告した。

「大学を出たばかりの男性です。スタジオも立ち上げたばかりで、学生起業向けの奨励金を受けたことで、ようやく法人として動けるようになった程度。名義上の実績はほとんどなく、現在は「仕込み中」の案件が一つあるだけです」

「案件って、何だ」

「テック系で……」

詳細を聞き終えた音無真は、眉間の皺をさらに深くする。不機嫌そうに吐き捨てた。

「江口初姫……今度は何を企んでる。...

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