第52章 結婚式進行中

江口初姫と川瀬千茉は無言で視線を交わし、互いの瞳にまったく同じ「やれやれ」を見つけた。

無視された女は、瞬時に逆上する。

「ねえ、話してんだけど? 婚約破棄された女ってほんと躾がなってない。音無家が要らないって言うのも納得~。今やあんたが街中の笑いものだって、知らない人いないから!」

「……ちっ」

神谷柊が舌打ちし、食べかけのステーキ皿をつかむと、見ることもなく女めがけて放り投げた。

べちゃっ。

ソースが飛び散り、女はよろけて二歩下がる。スカートにべっとり残った油の染みを見た瞬間、顔が歪んだ。

「私のブランドの新作! 限定なのに!」

柊は白けた顔で目を細める。

「吠えんな。...

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