第56章 清算

江口廷悟は堪えきれずに立ち上がり、江口初姫へ不満をぶつけた。

「家族を助ける気がないならないで、ここまで俺たちを誤魔化すなよ。こっちはバカじゃないんだ。なんで俺が「法人」になって、おまえの尻ぬぐいを背負わなきゃいけない?」

「金だけ巻き上げて逃げて、後始末をこっちに押しつけたらどうすんだよ!」

法人が会社の責任を真っ先にかぶる立場だなんて、誰だって知っている。会社で何か起きれば、下手をすれば牢屋行きだ。

しかも——江口初姫という恩知らずの代わりに、だ。

初姫は肩をすくめ、にこにこしたまま言った。

「どうしてそんなふうに思うの? 会社はね、私のお爺さんお婆さんがママに遺してくれたも...

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