第62章 狩りの視線

江口姫希は江口初姫に凄まれた恐怖で、椅子にへたり込んだまま立てなくなっていた。脚はがくがくと震え、力が入らない。

江口初姫が家を出てからもしばらくのあいだ、姫希は増田梅に支え起こされることすらできなかった。

ようやく抱き起こされると、そのまま泣きながら部屋へ駆け戻り、またしても家中で大騒ぎした。最後には一家そろって、江口初姫は恩知らずだの、目先の利益しか見ていないだのと口々に罵り始める。

だが、そんなものは江口初姫にとって痛くも痒くもなかった。

会社へ向かい、午前中いっぱい仕事を片づけていたところで、ふいに見知らぬ番号から電話が入る。

怪訝に思いながら通話を取ると、受話口の向こうか...

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