第67章 やり返してやる

江口姫希のひと言が、場の空気を一変させた。まさかこんな席で、堂々と喧嘩を売る人間が出るなんて――誰も想像していなかったのだ。

次の瞬間、探るような視線、蔑むような視線がいっせいに江口姫希と江口初姫へ突き刺さる。

その大半は江口初姫へ向けられていた。江口姫希がそこまで『持ち上げる』人物とは、いったい何者なのか。興味と警戒が混じった目が、彼女を値踏みする。

江口初姫は目を細め、江口姫希を深く見据えた。

――なるほど。ここで待ち構えてたってわけね。

持ち上げるふりをして、こちらを渦のど真ん中へ放り込む。さっきピアノを披露した令嬢が、露骨に顔色を悪くして自分を睨んでいるのを見れば、それだけ...

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