第78章 共に舞う

ダンスフロアの照明はすぐに落ちた。白昼みたいに眩しかったクリスタルシャンデリアが消えると、宴の中心は一瞬で黄ばんだ靄に沈み、輪郭が曖昧になる。

残ったのは、隅のほうに点々と灯る微かな光だけ。踊る人々の姿を、互いの影絵みたいにぼんやり浮かび上がらせる程度の明るさ。

江口初姫がその薄暗さに目を慣らすまで、数分かかった。

けれど、不思議と身体はほどけていく。

これなら――誰にも気づかれない。

胸の奥でふっと息をつき、音楽に合わせてゆっくりと足を運ぶ。気まぐれに、羽が触れるみたいな軽さで。

踊るのは久しぶりだった。さっきまでピアノを弾いていたせいか、今夜は妙に気分が乗る。

相手がいよう...

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