第8章 彼の運命を改めて書き換える

 

音無真はこのところ、江口初姫の前で何度も鼻をへし折られていた。

だからこそ――ようやく江口初姫が肩を落として引き上げていく姿を見た瞬間、胸の奥がすうっと軽くなる。

思わず、追い打ちをかけるように嘲った。

「……それとも、自分じゃ周防さんに触れる資格がないって分かってて、俺がここにいるって知ったうえで見せつけに来たのか? まだ懲りずに小細工でも続けるつもりか?」

江口初姫は、訳が分からないという顔をした。

小細工? 何の話だ。

いまの彼女には、音無真がこれまでになく目障りだった。なんでこの男が、こんな絶妙に邪魔なタイミングで現れるのか。周防宴久をつかまえるチャンスが、また遠のい...

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