第102章

私はそれ以上、何も言わなかった。全神経を提案書に叩き込み、ただ黙々と手を動かす。

気づけば、夜はとっくに更けていた。

野崎が三度目のコーヒーカップを差し出してくる。瞳の奥には、隠しきれない心配が滲んでいた。

「広瀬様、もう何時間もほとんど動いてませんよ。何も食べてないし……大丈夫ですか? 少し休みましょう」

こめかみを指で押さえると、鈍い頭痛が走った。

資料を睨み続けたせいで、視界の輪郭がじわりと滲んでいる。

「平気。続ける」

野崎が焦ったように声を強める。

「でも広瀬様、この案、前よりだいぶ良くなってます。もう十分じゃ……」

私は首を横に振った。目の奥を冷たいものがすっと...

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