第106章

「我々は広瀬と組む!」

その言葉が落ちた瞬間、どよめきと拍手が一斉に湧き起こった。

全員が私を見て、納得しきった目を向けてくる。

勝った。やっと、掴み取った。

自分のチームが上げる歓声。周囲から浴びせられる賛辞。――なのに、胸の内はひどく乾いていた。

この案件を勝ち取ったことで、逆に決定的に分かった。私と原崎野矢の間に、可能性なんて欠片もない。

私は落ち着いて踵を返し、チームに小さく頷いてから、声を落とす。

「野崎。先にみんなを連れて会社へ戻って。広瀬有香が最近やらかしてる証拠、全部まとめて父の執務室に入れて。私が戻ったら処理する」

「了解です」

野崎は目尻をきゅっと下げ、...

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