第110章

次の一時間、誰にも邪魔されないよう手配して、私はすぐデスクへ戻り、パソコンを立ち上げた。

林原武美のスマホをノートPCに接続する。

画面が点灯し、ロック画面が現れた。

好機だ。

――いや、好機どころじゃない。天が落としてきたみたいな大チャンス。

私はずっと広瀬北矢の追加情報を掴めずにいたのに、まさか今日、林原武美が騒ぎを起こしたおかげで、思わぬ収穫が転がり込むなんて。

林原武美のスマホには暗号化がかかっていない。私は手慣れた手順でさくっと突破し、中身を高速で洗っていく。

連絡先や各種SNSは、ほとんどが日常の付き合いばかり。

広瀬北矢の痕跡はない。

焦れた気持ちを押し殺し、...

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