第115章

少し考えてから、私はすぐに野崎へ電話をかけた。

「野崎。目立たない服を一式。それとウィッグと眼鏡。外見の特徴が完全に変わるやつ。尾行に使えるものを」

一時間後、野崎はそれらを届けに来た。

「広瀬様……これ、本当にスパイ映画の撮影じゃないんですか?」

袋を差し出す野崎の目は、好奇心でいっぱいだった。

「くだらないこと言ってないで、やることやって」

私は袋を受け取り、詳しい説明はしなかった。

「会社のほう、見張ってて。特にプロジェクトチーム。揉めごとは起こさせないで」

野崎は頷く。

「任せてください。俺がいます」

彼の背中を見送ってから、私は全身黒のジャージに着替え、髪をポニ...

ログインして続きを読む