第122章

ドアが閉まった瞬間、私は病室のベッド脇に腰を下ろし、全身がぞくぞくと冷えていくのを感じた。

ふう、と息を吐いて荒い呼吸を整える。唇をきつく噛みしめ、胸の奥で暴れ回る感情を無理やり押し込めた。

怒らない。泣かない。あの二人のために、そんなことをする価値はない。

それより今は、こんなくだらない揉め事に絡め取られている場合じゃない。

そもそも私は、何でもかんでも我慢して飲み込む性格でもない。

金原亜沙美が今日、あんな気持ち悪い真似をしてきたのなら――こちらも同じだけ、気分を悪くさせて返すまでだ。

そう考え込んでいると、またノックの音がした。

続いて、廊下側から沈村加也の穏やかな声が聞...

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