第123章

金原亜沙美からは、それきり電話が来なかった。あの女がどうやって協業を繋ぎ止めようとしたのかは知らない。向こうが干渉してこないなら、こっちはこっちで気が楽だ。

病院で二日ほど経過観察を受け、体内の毒素が完全に抜けたのを確認してから、ようやく退院した。

屋敷に戻ると、家の空気はすでに別物になっていた。

新しく入った使用人たちは、私の姿を見るなり一斉に背筋を伸ばし、やけに丁寧に挨拶してくる。

「お嬢様、お帰りでございます」

「お嬢様、お帰りなさいませ」

その目には、畏れと誠実さが混じっていた。

私は軽くうなずき、笑みを添える。

「ここはもう慣れた? 仕事、きつくない?」

世間話を...

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