第128章

広瀬正国が、名刺を一枚差し出してきた。

受け取って目を落とす。「天星グループ……木下様?」

「そうだ。うちの広瀬グループはいま、彼の独占技術の支援が喉から手が出るほど欲しい。誰が彼を味方につけるかで、次の波を掴める」

広瀬正国は改まった顔で私を見た。

「金原家も、いくらでも積むつもりで取りに来ている。さっき確かな筋から聞いたが、木下様は古い宝飾品の収集が趣味らしい」

察しがつく。「欲しいものがあるのね?」

「ああ。『月の心』という名のサファイアのアンティークブローチだ。それさえ手に入れば、彼と個別に会って話を聞いてもらえる可能性が高い」

広瀬正国が、カードを一枚差し出した。

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