第129章

「もらう……?」

場内が一瞬でどよめいた。

原崎野矢は呆然と、私のいる個室席へ視線を向ける。

「うそでしょ……あの人、いったい幾ら持ってるの? 原崎野矢の前でもらうなんて!」

「よほどの財力がなきゃ、原崎野矢に喧嘩売る度胸なんて出ないよな……!」

金原亜沙美の笑みが、ぴしりと凍りつく。勢いよく顔を上げ、二階を睨んだ。

「誰よ! 誰がもらうの!」

途中から私が割り込んで、横取りするなんて――想像もしていなかったのだろう。

金原亜沙美は焦りと怒りを滲ませ、悔しそうに私へ叫ぶ。

「もらう? ずいぶん大口ね! 相手が誰だか分かってるの? 原崎グループの原崎様がここにいらっしゃるのよ...

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