第134章

原崎野矢が、こんな真夜中に闇市へ来るなんて――何の用だ?

胸の奥に小さな疑問が引っかかったけれど、周りに人影はない。もう先に中へ入ったのだろう。

……まあいい。

彼がここにいるかどうかなんて、私には大して重要じゃない。

大事なのは、毒物の購入記録を手に入れること。

私はポケットから、野崎にもらった通行証を取り出し、闇市の入場口へ向かった。

入口は、外から見ればただの廃れたスーパーだ。けれど中へ足を踏み入れると、最奥に赤いランプがひとつ灯っていて、改造された長い通路をぼんやり照らしている。

通路の手前には、黒服の屈強な門番が二人。腕を後ろに回したまま、こちらを睨むように見てきた。...

ログインして続きを読む