第37章

ソファに腰を落としたまま、全身が強張って動かなかった。

――そうか。

私が原崎野矢を侮辱してしまったあとの数日、彼が姿を見せなかったのは……家のほうを落ち着かせて、原崎のお爺さんの世話をしていたからだ。だから、あの婚約パーティーのときまで出てこなかった。

木下遠矢は言えば言うほど感情を昂らせ、私の鼻先を指さして罵倒した。

「胸に手を当てて考えろ。若様とちゃんとやり直したくて反省してるのか、それとも権力とコネが目当てか。あいつを踏み台にして、お前の妹と養母に勝ちたいだけじゃないのか」

口を開き、言い返そうとした。けれど言葉が出なかった。

今ここへ来て原崎野矢に会おうとしているのは、...

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