第41章

私はバーの前まで車を走らせ、そのまま停めた。

店内は薄暗い照明が揺れていて、入った瞬間、ボックス席のいちばん奥に座る原崎野矢が目に入る。

ソファに深くもたれ、グラスを片手に、無感情な視線。そこにいるだけで空気が変わるせいか、周りの女たちが何度もちらりと見ていた。

近づこうと一歩踏み出した、そのとき。

女がひとり、原崎野矢の友人たちの間をすり抜け、彼の隣に当然みたいに腰を下ろした。

金原亜沙美。

この席にいたらしい。トイレから戻ったばかりなのか、原崎野矢の友人たちと笑い合っている。

私は一瞬だけ足を止め、それでも迷わず歩いた。

テーブルはいい雰囲気だったのに、私が視界に入った途...

ログインして続きを読む