第63章

原崎野矢は何も言わず、視線だけを私に落とした。感情の読めない目。

それだけで、胸の奥がざわついて、理由もなく不安が膨らむ。

「あなたを探しに来たとき、奥で話してるのが聞こえて……本当は控室に入りたかったんだけど、鍵がかかってて。だから机の下に潜るしかなくて」

正直に白状しても、原崎野矢は相変わらず反応を見せない。ただ、何かを考えるように私を見ている。

「それで。お前はどう思った?」

そう訊かれて、私は少し間の抜けた顔になった。顔を上げる。

「……どう思ったって、何のこと?」

「金原亜沙美の話、聞こえてただろ」

原崎野矢は淡々と私を見たまま言う。

「俺は、お前の誕生日パーティ...

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