第87章

田村成川は、所詮は幼い頃から甘やかされて育った若様だ。私がそう言った途端、顔色がみるみる悪くなり、歪むように引きつった。

羞恥と怒りで耳まで赤くしながらも、彼は歯ぎしりするように吐き捨てる。

「言い方ってもんがあるだろ? 俺は本気でお前に向き合ってたんだ。誰だって間違いくらいする。俺がしたのは、世の男なら大抵やることだろ! なんで他の連中は許されて、俺だけ許されないんだよ!」

さらに畳みかける。

「お前、わがまますぎるんだよ、妃菜! 俺はお前を愛してるから、ずっと見捨てずにそばにいたんだ。誰もが誰も、いつまでも同じ場所でお前が振り向くのを待ってるわけじゃないんだぞ!」

……言葉を失...

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