第91章

病室に残るのは、私の規則正しい呼吸音だけ。胸の奥が重く、鈍い痛みがじわじわ広がっていく。

原崎野矢が病院まで送ってくれたのに、私は彼に話しかける力すら湧かなかった。

誤解は増える一方で、いくら説明したところで、原崎野矢が私をどれだけ信じてくれるというのだろう。何を言っても、彼の中の私は信用のない嘘つき――そんな存在なんだろう。

きっと、もっと見下された。

優柔不断で、芯がなくて。裏切られてもなお田村成川と縁を切れず、ずるずる絡み続ける女だと。

口では強がって、振り返らないみたいな顔をしておきながら、結局は田村成川に会うことも許して、接触までしている。そういう矛盾した人間だと。

…...

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