第96章

翌日、私は使用人を二人雇い入れた。

二人とも野崎家の親戚で、言ってみればこちら側の人間だ。来たその場で給金は通常の倍を渡し、条件はひとつだけ告げた。

――食事の安全管理を徹底すること。台所に余計な手出しをさせないこと。

それから数日、私は家で静養した。

原崎野矢はまるで姿を消したみたいに、いっさい連絡してこない。けれど状況はひとまず落ち着いた。少なくとも田村成川が、また押しかけてくることはなかった。

沈村家も、縁談について表立ったコメントは出していない。皆、言わずとも分かっているのだろう。私と沈村加也が水面下で付き合っている――そんな空気が出来上がっていた。

八時。

私はきっち...

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