第99章

林原武美がこちらへ歩み寄ってきて、私をじっと見据えたかと思うと、反射的に病室の中を見回した。

ほかに誰かいるのか、場所を間違えたのか――確かめたいのだろう。

予想どおり、林原武美も広瀬北矢も、この一連を裏で追っているのが私だなんて、夢にも思っていない。

私は困惑したふりで首を傾げる。

「お母さん。私、怪我して入院してるんだよ。ここにいるの、私以外に誰がいるの?」

林原武美は疑わしげに眉を寄せ、状況が飲み込めていない顔をした。

私は相手が反応する前に、待ちきれないように手を取る。

「それに……来てくれるなんて思わなかった。会社のこと、知って心配してくれたんでしょ? だからわざわざ...

ログインして続きを読む