第4章

 恵美視点

 私たちが到着したときには、すでに焚き火が燃え盛っていた。炎が暮れなずむ空に向かって跳ね上がり、浜辺に揺らめく影を落としている。五十人ほどの人があたりに散らばっており、空気は薪の燃える匂いと、焼いたマシュマロの甘い香りに満ちていた。

 亮介と私は流木を見つけて腰を下ろす。炎が彼の顔をちらちらと照らした。私は人々が話し、笑い、気取らずにありのままでいる姿を眺めていた。

 「恵美さん、これ食べてみてよ」。藤原さんがパイ皿を手に現れた。「美味しいよ」

 彼女は私の隣に座り、ブルーベリーパイを私の膝の上でそっと安定させた。パイ生地は黄金色で、少し不揃いだ。一口食べてみる。甘くて、...

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