第5章

スノーの回復は、私が予想していたよりも早かった。

この小兎はエミリア貴妃の魔法に傷つけられたものの、幸いにも魔力核に致命的な損傷はなかった。

私がルーシーに治癒師を呼んで診させたところ、辛抱強く療養すれば、スノーはすぐに元気になるだろうとのことだった。

「月妃様、魔獣の世話の仕方が実に独特でいらっしゃいますね」

若い治癒師は感嘆の声を上げた。

「薬草と結晶を混ぜて薬を調合するとは、どうやって思いつかれたのですか?このような方法は、治癒院の古文書でも極めて稀なものです」

私は微笑むだけで、答えはしなかった。

これは単に、元の世界で得た基礎的な応急処置の知識と、この世界の魔法材料を組み合わせたに過ぎない。

数日おきに、エリザベスがこっそりと臨月殿へスノーを見舞いに来るようになった。彼女はいつも用心深くあたりを見回し、エミリアの息が掛かった者がいないことを確認してから、やっと気を緩めるのだった。

私を驚かせたのは、彼女が習い始めたばかりの治癒魔法で、スノーの回復を手伝おうとし始めたことだ。

「月妃様、私、体の中を魔力が流れるのを感じられるようになりました!」

ある時、エリザベスが興奮気味に私に告げた。その小さな顔には誇らしげな笑みが浮かんでいる。

「仰っていた通り、私には本当に魔法の才能があったんですね。ただ、今まで目覚めていなかっただけで」

私は彼女を満足げに見つめた。

「エリザベスはもともと聡明な子よ。ただ、正しい導きと励ましが必要だっただけ」

時が経つにつれ、エリザベスはレオンやアレックスとも次第に打ち解けていった。三人の子供たちはよく魔法練習場で簡単な魔法の練習をしていた。花の色を変えたり、小石を宙に浮かせたりと、様々だ。

彼らが一緒に遊ぶ姿を見ていると、私の心は温かいもので満たされていく。

「エイラ、凧の作り方を教えて!僕たちに」

ある日の午後、レオンがエリザベスの手を引いて私の前に駆け寄ってきた。アレックスもすぐ後ろについてくる。

「あなたが話してくれた物語に出てくるような、魔法を使わなくても空を飛べる凧を」

私は笑顔で頷き、紙で簡単な凧を作る方法を彼らに教えた。

レオンはとりわけ器用で、その小さな手で巧みに紙を折り、作り上げた凧は長いこと大空を舞っていた。

「エリザベス、見て!僕の凧が一番高く飛んでる!」

レオンが誇らしげに叫んだ。

エリザベスはくすりと笑い、その瞳には私がこれまで見たことのないような、喜びに満ちた光が瞬いていた。

しかし、そんな楽しい時間は長くは続かなかった。

ある日から、エリザベスがぱったりと臨月殿に来なくなったのだ。

初めはエミリアに外出を禁じられたのだろうと思っていたが、臨月殿の庭で偶然彼女を見かけた時、彼女は意図的に私の視線を避け、そそくさと立ち去ってしまった。

「アレックス、最近エリザベスに会った?」

私は堪えきれずに尋ねた。

アレックスは眉を微かにひそめた。

「一度だけ、星見の塔の授業で。彼女……腕に魔法の鞭で打たれた痕がありました。授業中、ずっと震えていて」

その言葉を聞いて、私の心臓はどきりと沈んだ。

エミリアの虐待がまたエスカレートしたのだろう。だが、彼女とエリザベスは母娘の関係だ。私が深くは口出しできず、密かにゼファー妃に様子を探らせるしかなかった。

「月妃様、エミリア様はエリザベス姫様がこっそり魔法の練習をしていたことを知り、ひどくお怒りだとか」

ゼファー妃はソフィアを連れて私のところへ来ると、声を潜めて告げた。

「姫様が誰とも接触するのを禁じ、特に月妃様とは決して、と聞きました」

私はその事実を受け入れるしかなかった。

エリザベスにはいずれ、臨月殿に引き取られ、アレックスの右腕となるであろう自分の兄がいる。

まさか、その数日後、エリザベスの侍女が突如として私を訪ねてくるとは思わなかった。

彼女は緊張した面持ちで、その瞳には不安げな魔力の揺らぎが浮かんでいた。

「月妃様、姫様が凛氷湖でお待ちです。どうか、必ずお越しください」

「何があったの?」

私は警戒して尋ねた。

「姫様は何も仰らず、ただ妃様をお連れするようにと……」

侍女は切迫した様子で答えた。

私は本能的に何かおかしいと感じたが、エリザベスの身を案じ、結局は侍女について行くことにした。

私が凛氷湖に駆けつけた時、目の前の光景に心臓が止まるかと思った——エリザベスが泉の中に落ち、その魔力は水に吸収され、自力で脱出できなくなっていたのだ。

私は考える間もなく、すぐに水に飛び込みエリザベスを助け起こした。

そして、彼女を抱えて岸に上がろうとした、まさにその時だった。エミリアが多くの侍女と数人の大臣を連れて、凛氷湖のほとりの木陰から姿を現したのは。

「月妃、よくも私の娘を水に突き落としたわね!」

エミリアは鋭く叫ぶと、禁忌魔法で私を打ち据えた。

「者ども、こやつを縛り上げよ!」

ここでようやく、私は自分が嵌められたのだと悟った。

エミリアはとっくの昔に罠を仕掛けており、私はエリザベスを心配するあまり、何の疑いも持たずにその中へ飛び込んでしまったのだ。

またしても国王が、この茶番に立ち会うために呼ばれた。

エミリアは意識のないエリザベスを抱きしめ、国王に駆け寄ると、泣きながら訴えた。

「陛下、月妃が嫉妬に駆られ、あろうことかエリザベスを凛氷湖に突き落としたのです!」

「陛下!」

私は彼女の言葉を遮り、必死に訴えた。

「まずはエリザベス姫の治療を!」

国王の視線が私とエミリアの間を往復し、やがて低い声で命じた。

「治癒師を呼べ!同時に、王室騎士団はエイラを見張っておけ。ことの真相が明らかになるまで処分は待つ」

私はエミリアの宮殿へと連行され、濡れた服を着替えさせてくれる者はおらず、私の魔力では服を乾かすことすらできなかった。

エミリアと、いつの間にか現れていたヴィクトリア貴妃が傍らに立ち、時折意味ありげな視線を交わしている。

「陛下、このような悪行は、即刻処分すべきです」

ヴィクトリア貴妃が冷たく言った。

「月妃が姫を突き落とすのを、この目で見たという侍女もおります」

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