第103章

タクシーが首都高に乗ると、凛は運転手に速い路線を頼んだ。

理由は言わなかった。ただ小声で「急いでもらえますか」とだけ告げて、窓に顔を向けた。それきり、口を開かなかった。陽太と諒は両脇に座り、泣き声はもう止んでいたが、車内に漂う沈黙は泣き声よりもずっと胸を締めつけた。

凛の両手は膝の上で重なっていた。指の関節が、力を込めすぎて白くなっていた。

夜の東京が窓の外を流れていく——ランプウェイのオレンジの灯り、高速道路を走り抜ける車の列、遠くのビル群に点々と灯る窓の明かり。それらを目で追いながら、何一つ見えていなかった。

陽太の声が隣から届いた。おそるおそる、押し殺したように小さかった。

「...

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