第11章

結城司が内線を鳴らした。黒いスーツの二人のSPが応じてドアを押し開け、室内に入り、指示を待って静かに立った。

 

諒が凛の脚にしがみついた。両手でズボンの生地を掴み、指の関節が白くなるほど力を込めて、離さなかった。

 

陽太は諒の隣に立っていた。飛びかかりもせず、泣き声も上げず、ただ結城司と同じ形の目で父親を真っ直ぐに睨みつけていた。全身が張り詰め、今にも突進しそうだった。

 

SPはその隙を与えなかった。

 

一人が腰を折り、陽太を脇の下から抱え上げた。陽太は足をばたつかせ、喉が引き裂けるような声を上げた。ママ、放して、ありとあらゆる言葉を。もう一人のSPが諒の手首を掴み、引き上げた。凛の脚...

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