第126章

白鳥遥がその言葉を口にした瞬間、会場全体の温度がひとつ下がったような気がした。

「私は、最高の青春をすべて彼に捧げました」

囁くような声だったが、マイクはそれを正確に拾い上げ、宴会場の隅々まで届けた。言葉が空気に溶ける前に、報道陣のシャッター音が弾け始める。望遠レンズがいっせいに寄り、フラッシュが連なって白い光の波になった。

遥は目を伏せたまま、その光を顔に受け続けた。

「五年前、司さんは凛を失った……人生で一番暗い時期、ずっと傍にいたのは私でした」少し間を置き、声をさらに落とす。「後悔も、恨みもありません」

記者席の一角で、誰かが手帳に猛然と書き始めた。

「白鳥さん——」最初の質...

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