第17章

黄昏の光が西から斜めに差し込み、本邸の石壁を暗い金色に染めていた。

 

車が玄関前で止まった。執事と使用人二名がすでに石段の下に控え、背筋を伸ばして立っていた。

 

星野凛が先に降り、身をかがめて陽太と諒の手を引いた。二人が地面に飛び降り、襟元を整えて、凛の両脇に並んだ。

 

黒いベントレーは、まだそこに止まっていた。

 

使用人たちの視線が、さりげなく車のドアへ落ちた。

 

少し間があって、ドアが開いた。

 

結城司が降りてきた。表情は整えてあった——少なくとも、本人はそのつもりだった。だが眉間に沈んだ翳りは、散っていなかった。石段を上がり、妻子の傍を通り過ぎ、執事の丁寧な出迎えの声を背に受...

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