第23章

電話が切れた。

背後から声が落ちてきた。低く、冷たく、一語一語が鮮明だった。

「誰が、俺たちの子供に手を出そうとしている」

凛は振り返った。結城司はリビングの暗がりに立っていた。表情はない。あるのは目だけ——慣れ親しんだ、刃のような目。

冷たく笑った。

白鳥遥が今日の午後にやったことを、一字一句、そのまま叩きつけた。保育園に現れたこと。陽太と諒に近づこうとしたこと。おもちゃを持参して、抱き上げようとしたこと。

結城司の眉が、わずかに動いた。

「遥ちゃんは、そんなことをする人じゃない」

凛は彼を見た。怒りはなかった。あるのは、澄み切った軽蔑だけだった。

「目が腐ってるんです...

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