第32章

星野凛は全身を包帯で巻かれ、血の気のない顔で枕にもたれていた。息をするたびに肋骨が鈍く疼くが、動かなかった。

 

ドアが開いた。

 

足音は廊下からすでに聞こえていた。陽太が先に飛び込んできて、諒が半歩遅れてついてくる。ふたりはベッドのそばに立ち、すぐには口を開かなかった。陽太の目はすでに赤く、小さな拳をぎゅっと握りしめ、唇が震えていた。

 

「誰がやったの! ママ、誰がこんなことしたの!」

 

諒は何も言わなかった。静かにベッドの端に腰を下ろし、手を伸ばして凛の頬にそっと触れた。壊れ物に触るような、ためらいがちな指先だった。

 

「ママ、痛い?」

 

凛はふたりを見た。目の奥が熱くなり、その...

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