第33章

白鳥遥は頭を垂れ、念入りに作り上げた自責の表情を顔に貼りつけていた。

 

「私が悪かったんです」結城司に向かって言った。声にかすかな掠れを混ぜて。「私が凛さんを刺激してしまって……」

 

結城司は取り合わなかった。

 

「もういい」廊下の冷気より低い声だった。「先に帰れ。俺にはまだやることがある」

 

返事を待たず、背を向けてナースステーションの方へ歩いていった。

 

遥は見送った。笑顔はまだ顔に貼りついていた。エレベーターのドアが彼の背後で閉まった瞬間、その笑顔が仮面のように、音もなく剥がれ落ちた。

 

目が変わった。

 

悲しみでも、委屈でもない。憎しみだった。冷たく、重く、どこか暗い場所...

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