第42章

設計部が、静まり返っていた。

廊下に足音はなく、空調の低い唸りと、遠くのプリンターが時折立てる音だけが残っていた。五十嵐たちが去ってから、このフロアには何かが抜け落ちたような空白が広がっていて、どう埋めればいいのか誰にもわからないままだった。

ノックの音がした——軽く、探るような。

「どうぞ」

入ってきたのは若いデザイナーが二人、男女一人ずつだった。女性の方が先に立ち、深く頭を下げた。声には抑えてきた敬意と、少しの遠慮が混じっていた。

「凛さん、さっきは本当にかっこよかったです。五十嵐さんたちって、いつも新人をいじめてるんですよ……」

後ろに立つ男性も頷き、佐伯燎のラフへの指摘が「...

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