第44章

短く、澄んでいて、無防備だった——自分に向けられたものではないとわかっていた。わかっているからこそ、頭の中から消えなかった。画面の向こうに誰がいれば、あんなふうに笑わせられるのか。

 

ペンを置いた。

 

窓際の長テーブルで、凛がノートパソコンに向かっていた。横顔は集中していて、指先がキーボードの上を速く動いている。ときどき止まり、草稿に何か書いてから、また画面に目を戻す。

 

視線がそこへ落ちた。一秒止まり、逸らした。

 

また落ちた。

 

デスクの上からファイルフォルダーを無造作に掴み、立ち上がった。足取りは何気なく、プリンターの方へ向かうように見せかけて、自然な弧を描きながら彼女のワーク...

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