第45章

遥の頭の中はまだ轟音を立てていた。

 

凛の手首に揺れるピンクダイヤモンドのブレスレットを、遥は見つめ続けた。あの電話の一語一語が、まだ耳の奥に鮮明に残っていた——「本ブランド最高位のSVIPのお客様」。結城司が財団の人脈をすべて使っても手に入れられなかったもの。それが今、星野凛の手首にかかっていた。凛が図面に目を戻す動作に合わせて、ブレスレットがかすかに揺れた。何事もなかったように。

 

遥はその手首から目を離せなかった。

 

凛は遥を見なかった。

 

この五年間、いったい誰に取り入ったというのか。

 

その考えが浮かんだ瞬間、別の考えが刃のように割り込んできた——司さんの目を盗んで、別の男...

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