第46章

白鳥遥が面接室を出てから、しばらく静寂が続いた。

 

人事担当の若い専員は平板電脳の画面に視線を落としたまま、ペンを止めていた。しばらくして、こらえきれなくなったように顔を上げ、上座に座る凛をそっと窺った。

 

「星野総監、本当に……すごいですね」

 

ほとんど独り言のような声だった。

 

凛は答えなかった。次の応募者の履歴書を手元に引き寄せ、文字を追った。

 

「次の方、どうぞ」

 

入ってきたのは三十代前半の女性だった。化粧は丁寧で、ドアを押す前に一度深く息を吸い、凛の前に座るとき、背筋をまっすぐに伸ばした。

 

凛は履歴書を二枚目に開いた。

 

「結城財団のオートクチュールラインと軽奢ラ...

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