第48章

白鳥遥を見た。

 

怒りでも、涙でもなかった。「感情」と呼べるものは何一つなかった。ただ一つだけ——後退りたくなるような、頭を垂れたくなるような、消えてしまいたくなるような何かが、その目の奥から音もなく滲み出て、見る者の息を詰まらせた。

 

遥の顔色が、その視線の下でみるみる白くなっていった。

 

唇が動いた。声は出なかった。

 

脚が、震えていた。

 

結城司は口を開かなかった。一度も。

 

凛は視線を外し、貨物用エレベーターの方へ向いた。浅野朔がすでにボタンを押していた。随行の警視庁の人員が両側に割れ、前を開けた。凛が踏み出し、司が続き、朔がその後に続いた。扉が、背後で閉まった。

 

廊下...

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