第71章

白い蛍光灯が、目を刺すように照りつけていた。

 

結城司は処置台の縁に腰を下ろしたまま、右脚を見ていた。分厚いガーゼが何重にも巻かれ、外側にはすでに淡い血の滲みが広がっていた。傍らで医師が何かを言い続けていた——入院加療、最低三日、筋組織への損傷も否定できない——一語も耳に入らなかった。

 

「結城さん、このまま退院されるのは——」

 

「帰る」

 

浅野朔が背後に立ち、声を落として言った。「司さん、一度だけ、お願いです——」

 

司はすでに処置台を下りていた。右脚が床を踏んだ瞬間、引き裂くような痛みが走った。顔には出さなかった。椅子の背にかけてあった上着を手に取り、そのまま出口へ向かった。

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