第8章

カーテンの隙間から、朝の光が細く差し込んでいた。

 

星野凛は目を開けた。最初に浮かんだのは——諒と陽太のことだった。

 

身を起こすと、四肢にまだ重さが残っていた。昨夜の酒が、まだどこかに沈んでいる。周囲を見渡した。豊洲タワーの最上階。五年前に離れ、五年後に戻りたくなかった、あの部屋だった。

 

立ち上がり、廊下へ出た。

 

「諒? 陽太?」

 

返事はなかった。

 

扉を一枚ずつ開けていった。客間、空。書斎、空。台所には人影があったが、子供ではなかった。見覚えのない家政が二人、朝食の準備をしていた。

 

「子供たちはどこですか」

 

一人が器を置き、小さく頭を下げた。

 

「結城様より、星...

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