第91章

「飛躍杯」のテーマ発表式典は午後二時に始まった。

会場は東京国際展示場の大型ホールで、白いステージライトが隅々まで照らし出し、どの顔もくっきりと浮かび上がっていた。参加者は番号順に着席し、凛は十七列目の窓際に座っていた。膝の上にスケッチブックを置き、ペンを指に挟んだまま、まだ開いていない。

司会者が壇上に上がり、マイクを二度調整してから咳払いした。

「本年度『飛躍杯』のテーマは——」

スクリーンが点灯した。

二文字。

深光。

会場が三秒ほど静まり返った。

それから、一気にざわめいた。

「深海の光?どういう意味……」

「抽象的すぎる。主催者、わざと難しくしてるんじゃな...

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