第111章ラブストーリー

ジューン

トビアスの腕の力がゆるみ、彼が身を引くにつれて、そのぬくもりも遠ざかっていく。声はやさしかった。

「ジューン。お悔やみを申し上げるよ」

そう言って、彼は言葉にしがたい感情をにじませた柔らかな表情を見せた。

「君のチームのみんなからも、お悔やみを伝えてほしいと頼まれている。本当はここに来たがっていたんだけど……ほら、仕事があるから」

唇が石でできているみたいに重かったけれど、私はかろうじて弱々しい笑みをつくった。

「大丈夫。来てくれただけでも……こんなところまで、私のために。本当にありがとう」

彼はうなずき、私の肩にほんの一瞬だけ手を触れさせてから、そっと脇へ退いた。

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